医療費の7割は誰が払っているのか

2015年度(2015/04~2016/03)の医療費総額が42兆3644億円だったことが発表されたらしい。前年度比で3.8%増大とのことだ。医療費総額、とは、1年間、全国の医療機関で支払われた医療費の総額のことだ。うなぎ上りの医療費をニュースの見出しで見るたびに、なんとも言えない不安を感じるとともに、一方でそんなものかとあまり気にしすぎないようにしている。

本稿では深掘りしてみた。医療機関の支払いは医療保険があるから、一般的なサラリーマンのもので3割負担ということは周知の通りである。残りの7割は誰が払っているかというと、保険会社であるはずだ。保険会社は国民健康保険やけんぽなど、自分が加入している保険機関のことだ。しかし、厚生労働省の統計を見ると、医療費総額の内訳のうち、患者等負担分、つまり我々が病院で支払った分は、全体の12.3%となっている。30%ではないのだ。そして、7割を払っているはずの医療保険負担分(保険会社が出している分)の総額に占める割合は46.8%だ。合わせて59.1%にしかならない。これはどういうことだろうか?視覚的に見せるため、以下にパイチャートを示した。緑が私たちが病院で支払った分、赤い部分が医療保険から支払われた分だ。その他に大きな部分は2つあり、33%を占めるオレンジの部分、これは後期高齢者医療給付分となっており、fもう一つ、7.4%を占めるのは公費負担医療給付分と呼ばれている。これらそれぞれについて調べてみた。

後期高齢者医療給付

2008年から導入されている後期高齢者医療保険制度による給付らしい。この資料がわかりやすかったが、75歳以上になると誰もが入らなければいけない、高齢者向けの保険とのことだ。しかし、資料にある通り、実質公費(5割)と後期高齢者支援金(4割)という若年者の保険料から賄われている。これは後期高齢者支援金分保険料という項目で請求されているはずだ。公費の方は国:都道府県:市町村が4:1:1の負担となっており、市町村レベルで金額が変わってくるようだ。この後期高齢者医療給付が33.1%, 14兆円ある。

公費負担医療給付

こちらは国が認めた事情に関しては全額または一部、国が支払うよ〜という制度から支払われた額なようだ。主に4種類あるらしく、以下の通り。

  • 災害による医療保障:地震被害者などの治療
  • 公衆衛生に関する医療給付:感染症法や精神保健福祉法などの元の医療給付
  • 社会福祉に関する医療給付:生活困窮者に対する生活保護や児童福祉法による給付
  • その他:特定疾患など

詳しい一覧はWikipediaにある。生活保護者への医療は無料であることは有名だ。これが7.4%、3.1兆円。

こうやって見ると、本記事のタイトルは不適切にも思えてくる。高齢者まで含んで、国民一人に平均すれば、自己負担は12.3%なのだ。残りは国に納めた医療保険料及び公費から賄われている。公費は本来税金だけで賄われているべきものだが、借金を重ねて将来の日本から前借りしているのは周知の事実だ。これからさらに増大してくることがわかっている医療費。これにまつわる制度は理解しておきたい。

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