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4月に読んだ本を振り返る

4月も10冊。このペースが割と限界な気もする。

一番面白かったのは「スーパーコンピューターを20万円で創る」 (伊藤智義、集英社新書)。

タイトルから、気軽な趣味本かと思って読んでみたら、全く違った。スパコン分野のノーベル賞と言われているらしい、ゴードンベル賞を8回受賞した、東大の作ったスパコン、GRAPEの話だった。

内容は素晴らしいの一言。

東大の教養学部・杉本研で宇宙の成り立ちをシミュレーションするための重力の計算に非常に多くの計算をこなせるコンピュータを構想した教授は、ある一人の学生にその実装を任せることになる。
その学生は、研究室の助手たちの協力を仰ぎながら、僅か一年足らずで一から実装を行い、コンピューターを完成させてしまう。このコンピュータ、GRAPE(Gravity Pipe)、はそのあと次々に天文学にとって重要な研究成果を上げていく。という、タイトルからはとても想像できなかった壮大なストーリーかつノンフィクション。

ちょうどひも理論に関する本も読んだ(こちらはやはり難しくていまだによくわかっていない)こともあり、
宇宙の計算をするために作られたスパコンということで、何を計算するかなどの話もわかりやすかった。

この本で最大に良いところは、製作者本人による著作だという点であろう。著者の伊藤氏は最初の実装を任された学生である。スパコン関係では、もう一冊、京に関する本である「次世代スパコン「エクサ」が日本を変える!: 「京」は凄い、“その次”は100倍凄い (小学館新書)」も読んだが、こちらは広報担当の方が書いたもので、京の応用例や成果が書き並べられて概要が掴みやすくはあるものの、製作過程や技術的課題が何で、どうやって解決したかの生々しさにかけていた為、ストーリーとしての面白みに欠けていた。(もちろん、本自体の狙いが違うのだろうが)

著者・伊藤氏の情熱が感じられる、良い本。

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